再会した幼なじみは☓☓オタクになっていました。
十二章 「友チョコと本命チョコと甘いキス」
「霧姫朱里、ありがとうございます。このチョコを本命として受け取ります」


紅蓮会長宅。台所で手作りチョコが完成したから、紅蓮会長に渡すと、まさかのこの発言で。


「いや、それは義理っていうか……友達チョコといいますか」

「会長、俺たちの交際を心から祝福してるっていうのは嘘だったんですか」


「それは言いました。だけど、隙あらばアタックすると伝えましたよ。黒炎、貴方には言ってませんでしたね」

「黒炎、紅蓮様。朱里様がお困りですよ」


焔さんが二人の口喧嘩の仲裁に入ってくれているも、聞く耳を持たない。


「兄貴は黙っててくれ。これは会長と俺の問題なんだ」

「自身がどう思おうと、個人の自由だと思います」


「会長、さすがに俺の前でその発言はどうかって話をしてるんですよ!」


心無しか、火花が飛び散っている様に見える。

事の発端はバレンタインデー前日まで遡(さかのぼ)る。
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