再会した幼なじみは☓☓オタクになっていました。
「朱里様、私と紅蓮様のことは気にせず楽しんできてください」

「霧姫朱里。コレを忘れていますよ」


「紅蓮会長、焔さんありがとうございます! 楽しんできます」


私は紅蓮会長から言われて紙袋を受け取る。これって、私が黒炎くんに作ったチョコだ。二人きりになってから渡せってことだよね。気が効くというか、さすが紅蓮会長。


「このへんでいいか」


とある公園。私たちはベンチに座った。二月なので、外はまだ寒い。


「黒炎くん、その……コレ受け取ってください!」


もう二人きりなったんだし、と私はバッ! と紙袋を黒炎くんの前に差し出した。恥ずかしさのあまり、つい敬語になってしまった。声も裏返っている気がする。


「さっき俺のために作ってくれたっていう本命チョコか。ありがとな、朱里」

「ど、どういたしまして」


黒炎くんが微笑んでる。カッコいい……。
私は心臓がバクバクいってるのに、黒炎くんは余裕そう。
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