再会した幼なじみは☓☓オタクになっていました。
「桜、綺麗だなぁ……」


去年の今頃もこんなことを呟きながら歩いてた気がする。それで、黒炎くんと再会した。


「朱里、おはよう」

「あ、黒炎くん! おはよう」


後ろから声をかけられて、挨拶を交わす。そう、今は私の大事な……恋人。


「今日は卒業式だね」


なんて言いながら、私は黒炎くんと手を繋ぐ。大胆的な行動も恋人になったから出来る特権のようなもので。


「そうだな。俺たちも今年の4月からは2年になる。早いな、1年経つのって」

「そうだよね。なんか今から緊張してきた……」


「主に勉強の面だろ? わからないところは俺が教えてやる。朱里とは一緒に卒業したいからな」


黒炎くんには私の考えていることがお見通しだね。相変わらず、そうやって優しい言葉をかけて励ましてくれるところ、私は大好きだよ。
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