再会した幼なじみは☓☓オタクになっていました。
アカリちゃんよりもずっと前から黒炎くんのことが好きだった私よりも、黒炎くんはアカリちゃんのほうを好きになったんだもんね。


恋は時間や期間ではない。
好きになったその瞬間から、恋が始まる。

ウジウジ悩んで告白出来なかった私が悪い。
そう、黒炎くんは悪くない。


戻れるのなら、黒炎くんが引っ越す前に時間が巻き戻ればいいのにな。

後悔先に立たずなんていうけど、まさにその通りだね。


「朱里も良い人が早く出来るといいな」


そういって差し出した私の手を握り返してくれる。だけど、これは握手。

だけど、今は触れられるだけでも嬉しい。
差し出した手を拒絶されたら、今の私じゃ立ち直ることなんて出来ないから。


これは黒炎くんにフラレたって思っていいのかな?

だけど、簡単に諦められるほど、私は軽い恋をしていない。
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