再会した幼なじみは☓☓オタクになっていました。
四章「俺にとってアカリという存在は」
ジメジメとした空気、1年を通して晴れる日が少ない。6月、梅雨の時期に突入した。


衣替えも完了し、今は夏服。
だけど、雨が続くせいでちょっと憂鬱です。


「どこにもない……!!」

放課後。私は朝、置いていた場所に傘がないことに気付く。


慌ててるから間違った場所探してる? なんて思いもしたけど、たしかにココに置いた。

これは誰かに間違って持っていかれた? もしくは借りパク的なアレですか。


(最悪……)


外はどしゃ降り。とてもじゃないが傘なしで家まで帰るのは無理そう。


「お迎えにあがりました」


「焔(ほむら)。こんな時くらい車の中で待ってればいいだろ」


入学してすぐに見た2年の先輩だ! 
相変わらず秘書さん? みたいな人が送迎してるんだ。

焔さんっていうんだ。炎の名前がついてて、黒炎くんと同じでカッコいい名前。


今どきキラキラネームなんて珍しくないけど、焔さんや黒炎くんの名前は滅多に聞かないよなぁ。一度聞いたら忘れないだろうし。
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