空を見上げて雲は宙を舞う。
第一章・空
新しい世界へと
憂鬱な重々しい気分とは裏腹に空に輝く太陽は新学期を祝うように私の頭を熱する。
今日から高校生だと言うのに、中学校の頃に染み付いたこの気持ちは抜けない。
生まれてから何度目か分からないため息をつく。
目の前に聳え立つ大きな校舎はもう飽き飽きしていた頃のものでは無い。
新しい私の人生をスタートさせるに相応しい高等学校なのだから。
沢山の女子が目の前の高校の門をくぐっている。
まさに私が憧れていた女子しか居ない学校。それが女子高。
可愛らしい制服を身に纏い、笑える日の為に。
……引きつった笑みしか作れなかった中学校時代を捨てて。
私は他の同級生と共に門へと足を運んだ。
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