空を見上げて雲は宙を舞う。

正義か悪か



「まじで無理だわ〜」

そんな事を大声で話して昼休みの教室で笑っていたのは姫戸さんの周りに居る女子達。
その言葉を向ける矛先は勿論山添さん。
肝心の姫戸さんは「そこまで言うものじゃないよ、和花〜」となだめていた。


……私にはそのなだめも穏やかな笑みも偽りの物にしか見えないけど。
だからって証拠も無いのに首を突っ込んだって私自身が無駄死にするだけ。
結局はどんな所でもこういう事は日常茶飯事なのだからどうしようも無い。


「栞」


「ん?どした?」


険しい顔をした日菜子が何も言わずに手招きをする。
よく分からないけど、呼ばれてるから行くしかない。

席を立ち、彼女へと足を運ぶ。
廊下へと着くと、こちらに向き直した。


「栞、ちょっと協力してくれないかな?」

「あまり大変な事じゃなければ」


私がそう返すと日菜子は周りをキョロキョロ見渡して人が居ないのを確認するとハッキリした声でこう言った。



「山添さんの無実を証明したい」
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