空を見上げて雲は宙を舞う。
「……正気?証明するって…姫戸さんが黒前提なの?
もし山添さんの話がホントだったらどうする訳」
正直面倒くさい一心だった。中途半端に正義ぶったって傷付くのは私。
最後までその人を守る意志の強さは持ち合わせていないから。
日菜子は本気の眼差しで私を見つめていた。
でもそもそも両者どちらにも証拠が無いから善が何時まで続くのか分からないままでは
ただ暗闇の道で足掻くのと同じだと私は思っている。
「証拠は、ある。無いままで助けを求めるなんて中途半端な事私はしないよ」
「ふぅん。その証拠ってのは、何?見せて」
黙って頷き取り出したのはスマホ。
アルバムを開いた彼女に突き出されたのは一枚の写真だった。
その写真に写るのは笑顔でカメラ目線にピースをする山添さんと、
「この子、隣のクラスの中野 未祈ちゃん。山添さんの友達」
そう言って日菜子は続ける。
「山添さんは昨日この中野さんって子と8時位まで遊んでたらしくてさ。
その後家の前で別れたって言ってたから多分コンビニ行ってる時間無いと思う。」
「そのあと一人で行った場合もあるけど」
私が皮肉なことを言っているのは分かっている。
でも実際、どんな目に遭うか分からないから怖い気持ちでいっぱいなのだ。
「」