漣響は強くない ~俺様幼馴染みと忘れられた約束~
その日の朝。
いつものように千絃と共に出勤するの、関がとても心配した様子で出迎えてくれた。
怪我の事を話、自分の勝手な判断で招いた事なので、響は謝罪をした。
「私がやりたいとスタッフの皆さんにお願いした事で起こってしまった事故でした。全て私の責任です。本当に申しわけございませんでした」
「………わかった。これからは危険な事は避けていきましょう」
「はい。ご心配お掛けして申し訳ございませんでした」
もう一度深く頭を下げる。
すると、関が「ですがね………」と何か続きを話したそうにしていた。響は顔を上げると、先程の困った表情から一転して、目がキラキラしていた。
「あの……関さん?」
「いやー、見せてもらった殺陣、すごかったよ!お互いの緊張感?というか、臨場感?もう、鳥肌ものだったね。それに、奇襲している方が少し戸惑っているっていうのもまたいいよ。強敵相手に、尻込みしてる感じ?剣の動きはシンプルなのに、全て当たってるし、捌き方も鮮やか!あれはぜひ、ゲームで使わせてもらいたいね!」
響の手を掴み、ブンブンと振りながら興奮した様子で話す関を響は呆気に取られたまま、されるがままになっていた。
けれど、関が喜んでくれているのは伝わってくるので、笑顔で答えていると、横から千絃がきて、関の手を止めた。