漣響は強くない ~俺様幼馴染みと忘れられた約束~
「………和歌って奴に嫉妬した。俺の知らないお前をみていたし、お前が悩んでる時も一番近くにいたんだろ。………響は俺を選んでくれたのに、何か悔しくてな。……きっと、あいつはおまえに惚れてるだろ?だから………」
「っっ………」
彼の言葉に響はビクッと体を震わせた。
まさか、和歌の話になるとは、彼が自分が好きだという話になるとは思わなかったのだ。そして、先程の和歌からのキスの事を思い出しては、響は顔が赤くなってしまう。
彼は気づいたのだ。和歌が響に好意をよせていた事を。響自身はきづいていなかったのに。
動揺して瞳が揺れる。
どう反応していいのかわからずに、響は千絃から視線を逸らした。
「響?おまえさっきからおかしくないか?ボーッとしたり、顔赤くなったり………何かあるのか?」
「えっと……その……別に」
「おまえは昔から嘘とか隠し事が下手だからすぐにわかる。何だよ、はっきり言え」
「…………」
「言わない方が怒る」
「………言ったらもっと怒るでしょ!」
「………浮気したのか?」
「…………っっ………」
「………………」
千絃は響が話しやすいように冗談を言ったつもりだったのだろう。だが、響の反応を見て、その冗談が冗談ではないとすぐに察知したようだ。千絃の表情が固まった。