漣響は強くない ~俺様幼馴染みと忘れられた約束~
「ち、違うの!浮気はしてない………してないよ!」
「……じゃあ、何したんだよ」
「…………怒らない?」
「それは場合による。けど、話さない方が怒る」
「…………和歌さんに好きって言われた、の」
「……………そういう事か」
気まずいまま響が俯くと、千絃は大きくため息をついた後に、そう呟いた。
「和歌さんの気持ちに気づけなかった私は彼を傷つけたのかなって思ったんだ。……けど、私は千絃が好きだから、和歌さんの想いには答えられない。いつも励ましてくれる優しい方だけれど、でも好きとは違う感情なの。………それは私もわかってる」
「………くそっ……」
「………ぇ………」
千絃の苛ついた声が聞こえたと思ったら、視界が急転した。いつの間にか、背中には布団があり、目の前には千絃の顔が写っていた。ベットに押し倒されたと、少しの間があってからようやく気がついた。
「千絃、どうしたの………?」
「告白を断ったのにどうしてそんなに苦しそうなんなんだ」
「………それは……」
「キスでもされた?」
「っっ」
「………おまえ、本当にわかりやすいな。…………ムカつく」
そう言うと、千絃は口を開いて響の唇に食らいつくようにキスを落とした。
そのキスは今までで一番乱暴で荒々しく、深いものだった。