漣響は強くない ~俺様幼馴染みと忘れられた約束~
「明日もありますので、そろそろお開きにしましょうか?」
「そうですねー。僕もヘトヘトなんで眠いです」
原作者の和歌と主演の春がそう言うと、盛り上がっていたキャストやスタッフが「そうですね」「明日も頑張ろうー」と片付けや帰りの準備をし始めた。
「響さんもお疲れ様でした。おうちから遠いですよね。お先にどうぞ」
「そうだよー!響さん、お疲れ様ー!」
「「お疲れ様です!!」」
2人や他の人達から挨拶をされ、響は戸惑いながらも「お疲れ様です!………ありがとうございます」と、挨拶をし和歌と春に小さくお辞儀をして会場から出たのだった。
タクシーを呼んでから彼の家まで行こう。その前に連絡を入れておいた方がいいだろうか。そんな事を考えて外に出る。すると、出入り口に人影が見えた。
「千絃………」
そこに居たのは、こうやって会いたかった彼だった。響が来たのに気づくと、少し気まずそうにしながらも、「久しぶりだな」と、言いこちらに近づいてきた。