漣響は強くない ~俺様幼馴染みと忘れられた約束~




 ブーブーッ ブーブーッ



 空気が震える音がした。
 鳴り終わったと思ったら、また響く。それが、先ほどから耳に入ってくる。

 いつの間にか寝てしまっていた、寝起き眼を擦りながらスマホを取った。
 昨日は疲れてしまったのか、目覚ましを設定さえもしていなく、いつもより遅い時間に目覚めてしまった。


 「そろそろ起きなきゃ………って、何!?この通知の数………!?」


 スマホには何十件のメッセージや着信通知が来ていた。その1番上にあったのは、特に仲が良い友人の水篠璃都(みずしの りと)だった。


 響は慌てて彼女に電話をかけた。


 「あ、もしもし璃都?沢山連絡来てたけど………」
 『やっとでたー!聞きたいこと沢山あるんだから!』
 「え、何?………何かいろんな人から連絡来てたみたいだけど、何かあったの?私、今起きたからわからなくて………」
 『え、響、まだ見てないの?!』
 「何のこと?」


 興奮している璃都が何を知っているのか全くわからず、恐る恐る彼女に問いかける。でも、悪い雰囲気ではないとはわかったけれど、やはり答えを聞くまでは緊張してしまうものだった。


 『動画配信サイトで、響の剣舞が公開されてるの!それがすごい反響なのよ!……ゲームとのコラボじゃないかって、話題みたいで』
 「…………え、えっっ!!?」


 璃都の言葉に、響は頭が真っ白になり絶句するしかなかった。
 


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