漣響は強くない ~俺様幼馴染みと忘れられた約束~
17話「嘘つき」





   17話「嘘つき」





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 それからの2人は焦るように練習に励んだ。
 学校に行く前に朝練をし、昼休みも竹刀を握り、夜も遅くまで稽古を重ねた。周りから異常だと思われるほどに稽古に励んだのだ。
 もともと実力のある2人はさらに力と経験を重ねた。そのため、試合でも圧勝する事が多くなっていった。
 けれど、2年の県大会でも2人は準優勝に終わった。


 そんな高校生活最後の年が始まろうとした春だった。その日、剣道部の稽古がなかなか始まらなかった。皆、胴着を着て道場で待っているがある人達が来ないのだ。顧問である先生と男子部の主将の千絃だ。響も女子部の主将になっいたので、いつもと違った雰囲気に、不安になってつつも待つしか出来なかった。どうやら、千絃と先生が話をしているという事だ。
 いくら待っても2人は帰ってこなかったので、いつまでも待ちぼうけも時間の無駄だと思い、稽古を進めていた。前半の稽古が終わった頃に、ようやく男子更衣室のドアが空いた。
 2人の表情は暗く、顧問は少し疲れた様子だった。


 「みんな、集まってくれ。話がある。」
 「集合っ!!」


 顧問の言葉を聞き、響は慌てて号令をかける。皆、袴姿のまますぐに顧問の前に集まる。隣の千絃はいつものように無表情のままだ。



 「みんなに報告がある。男子部主将月城が……剣道部をやめる」
 「………ぇ…………」




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