近くて遠い君へ
ピルルルル♪
携帯が鳴った。
制服のポケットから
携帯を取り出し
ディスプレイを見る。
着信:裕一
ピッ
「はいよ?」
《今‥‥お前の後ろにいるよ》
なんかのホラーかよっ!と一人突っ込み
後ろを振り向く。
いねーし。
「いねーじゃん」
《バーカ!!こっちだ!》
そぅ言われ
辺りを見渡すと
反対側の歩道に
裕一を発見。
「あ、いたいた!」
そぅ言って
電話を切り‥
反対側の歩道へと
斜め横断をして
飛び出した時‥‥
キキーーーーッッ
「佳‥‥っっ!!!」
裕一の声が微かに
聞こえた。
浮かんだ顔は‥
結花‥。