近くて遠い君へ
俺は
ジャージを手に取って
結花の後を追う。
これは‥夢だ。
「佳晃!部長の自覚持ってよね」
結花は
あの頃と同じように
優しく怒る。
「ん?あぁ。」
「聞いてんのー?」
まったく。
結花は小姑だな‥。
俺は陸上部、部長。
種目は高跳び。
ピィー!!
笛の音を合図に
走る。
1メートル65センチ。
左足を
踏み台に
高く‥‥
高く‥‥。
あっ‥空が‥
空は晴天。
綺麗だ。
あの頃と同じ。
結花を想う
俺の心も‥
こんな空のように
果てしなく
澄んだ色をしていたな。
どこで
変わったんだ?