近くて遠い君へ
片付けも終わり
俺は結花に駆け寄る。
「結花、帰ろう」
結花は
微笑み「うん」と
返事を返す。
懐かしい‥
この感覚‥‥
頭の片隅にあった
少なき思い出。
思い出すのも
困難になりかけた
平凡な日常‥。
それでも
それでも心は‥
ちゃんと覚えてる。
あの時の
会話‥
感覚‥
体中で覚えてる。
込み上げてくる
熱‥想い。
《幸せ》
平凡な日常にある
あふれるほどの
《幸福》
忘れていたよ。
思い出したよ。
俺は確かに
《幸せ》だった。
結花に出逢えた事が
俺の幸せ。
忘れないよ。