近くて遠い君へ
「佳‥佳‥‥心配したんだからぁ‥」
可愛く泣く美沙を横目に結花は微笑み
佳晃に視線を送る。
良かった‥。
佳晃がいなきゃ
始まらないよ。
佳晃は美沙の頭を
優しく撫でた。
「‥ごめんな‥」
と、悲しい目をして
頭を撫でていた‥。
‥‥‥今までの結花ならかなり嫉妬する光景。
でも今は
すごく心穏やか。
佳晃は
結花に視線を変えた。
「‥‥小姑‥結花」
ニコッと笑う佳晃。
「小姑って‥何よ‥」
その昔‥
遠い昔‥‥
いつも佳晃を叱っていたから
よく佳晃に《小姑》って言われてた‥。
蘇る記憶‥。
優しい記憶。