近くて遠い君へ
佳晃side
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
真っ暗だった闇が
また突然明るくなった。
頬を伝う涙が
すこしだけ乾く。
目の前に立っていたのは‥‥
まぎれもなく
美沙だった。
「‥‥美沙?」
美沙はニコッと
優しく微笑む。
「‥佳‥‥。いいんだよ!佳が決める道を美沙は邪魔なんかしないよ。」
美沙の顔は
心なしか穏やか。
「佳がやりたい事をして。美沙は‥‥佳と付き合えて幸せでした。」
━幸セデシタ━
「み、美沙‥‥?」
「だから‥早く戻ってきて。美沙の幸せは佳が生きている事なんだからね‥。」
スゥっと
結花のように‥
美沙は消えていった‥。
その瞬間に
自分の意識が戻ったのを
体で感じた。