近くて遠い君へ
佳晃は何も言わずに
振り返り歩き出した。



佳晃の背中を
見つめるだけの結花。




何もできない
自分が悔しい──。



どうすれば良い?



どうすれば‥。




その時
佳晃は結花を
見つめるように
振り向いた。



そして‥




「‥結花っ!卒業おめでとう!!」



満面の笑みの佳晃。




━卒業━




うん‥。
卒業だよね‥。



「卒業‥おめでとっ」



結花もまた
笑顔で返す。



今日‥
出発する佳晃。



大好きな佳晃‥。



思いは
届かなかったね。



それでも‥いいよ。




━卒業おめでとう━

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