近くて遠い君へ
本を読んでる最中に
生徒が続々と
教室に入ってくる。
「あっ、結花おはよ★」
「おはよ~」
友達の挨拶に
苦笑いしかできない
結花。
━━ごめんね‥。
ふと
窓の外を見る。
そこには‥
最高に幸せそうな
美沙の姿。
美沙と佳晃は
手を繋いでいる‥。
結花も‥
結花も佳晃と
手繋いで歩きたいな‥
二人、並んで
結花も最高の笑顔で
佳晃に笑いかけるの。
佳晃もまた
結花に最高の笑顔で
答えてくれる‥。
夢だけど‥
夢で終わって欲しくない‥。
美沙‥ずるいよ。
結花の方が
ずっと前から
佳晃の事
好きだったのに‥。
そんな意地悪な考えさえ脳裏に浮かぶ‥。
結花は
性格悪いな‥。