近くて遠い君へ

そんな結花の願いも虚しく、美沙は結花に近づいてくる。




「結花ッッ!おはよう★」



持っている本を
パタンと閉じた。




「おはよ‥」




━━どうしよう‥
美沙に冷たい態度
取っちゃった‥。





そんな結花とは裏腹に
美沙は気にしていない様子。




「昨日、佳と付き合ったんだよぉ★なんでメール返してくれなかったのさぁぁぁ?」




‥‥‥‥‥‥‥‥‥


くっ、悔しいーーー!!



知ってるよ。
佳晃と付き合った事くらい。

昨日、結花が
どれだけ泣いたと思ってんだ‥。





結花‥マジ性格悪‥。





「メール見たらしいんだけど、寝てたからメール見た事覚えてなかったんだよねぇ~」



苦笑いの結花。


苦しい言い訳‥。





「そっか★超嬉しいよぉ!」



「‥‥おめでとね」




美沙の目を見ず
俯いたまま言った
《おめでとう》
の言葉‥。




美沙‥ごめんね。



結花は
友達思いじゃない
最低最悪の
女です‥
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