近くて遠い君へ
カバンを取りにいき
校門へと走った。
玄関を出て
少し走ると
カズの姿があった。
「結花ちゃん!」
カズは満面の笑みで
結花の名前を呼ぶ。
そんなカズな結花は
問う。
「‥‥何してんの?」
あ‥少しキツい言い方‥
でも
カズは気にしていない様子だった。
「だって結花ちゃんメールくれないじゃん。だからデートしよッ」
「は?何言ってんの?結花は寄り道しない主義だから。‥‥もぅ帰る」
そぅ言い放って
結花は歩き出した。
佳晃以外の男と
遊ぶ気なんてないし。
ましてや
メールするなんて嫌。
結花は佳晃がいれば
いいの。
たとえ
片想いだって
構わない。
結花には
佳晃だけなんだから。