近くて遠い君へ
佳晃side
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
伏せたままの顔を
少し上げて
結花と美沙を見た。
美沙は満面の笑みで
結花に話し掛けている。
でも‥結花は‥
時折、すごく悲しい目をして
笑ってた。
━━結花??
なんかあったのか?
また痴漢にでも
あったのか?
ダメだな、俺。
美沙と付き合ってるのに結花が
頭から‥心から‥
離れていかねぇ。
俺はまた
机に顔を伏せた。
結花の事‥
好きじゃなくなるなんて俺にできるのか?
頭ではわかってる。
でも‥心がついていかねぇ。