近くて遠い君へ
結花も帰る。
今日も一人で‥。
校門を出て
一人歩いていると
「ゆっ‥結花ー!!!」
━━ドクン‥
この声‥
あ、ヤバイ。
泣きそう‥。
結花の
大好きな
大好きな‥
あの人の声。
ねぇ‥
結花の名前を呼んだのはいつぶり??
結花は
こんなにも
あなたに名前を
呼んでほしかったんだね‥。
頭じゃない。
心で感じるの。
あなたの
温かい声‥
温かい心の声‥
全部、全部
結花だけのものに
なればいいのに‥。
結花はそっと
振り向いた。
「よっ、佳晃ー!!!」
涙で滲む視界を
懸命にこじ開け
佳晃を見る。
大きく手を振り‥
佳晃に最高の笑顔を
向ける。
佳晃‥
佳晃‥‥。