桜色の君
「あ?悠斗?どいつだよ」
聞き慣れた声がして後ろを向くと、不機嫌そうな柊貴が立っていた
「なんで居るの?今日来るの早くない?」
「俺には早いとか遅いとかねーの。見張っとかねーとすぐチョロチョロするからな」
「んなっ、ネズミじゃないんだからチョロチョロなんてしませんー」
「バカいえよ、現にチョロチョロしてんじゃねーかよ。悠斗って誰だよ悠斗って」
男の子名前を聞くとすぐこれだ
心配しなくても、もう17になるんだよ?
ほんと過保護な人…
「大丈夫だってばー」
萌がそんなやり取りを聞きながら
「こりゃ気づくのはいつになることやら…柊貴も大変ねぇ」
とボソッと呟く
ハテナを頭の上に出す私をよそに
「うるせー」
そっぽを向く柊貴
「なんの事?」
「なんでもねーよ。ばーか」
それだけ言い残して、自分のクラスに帰っていった
何しに来たんだろ…暇なのかな…
その後、萌に何だったか聞いてもちっとも教えてくれなかった