私は不幸だ
扉を潜ると、人がいた。

「アッ.....なん、で、、」

私の目線の先にいる人。

「あっれれぇ〜!もしかして、天月寧々ちゃ〜ん!いや〜ん何何!今日学校行けれないから、いつものことやれないと思ったとにまさかの降臨ですか〜!えぇ〜運命じゃ〜ん!」

私の目線の先にいたのは、私をいじめるグループのリーダー、嬢薙沙奈華だった。

私はその場で固まる。

「寧々?もしかしてだけど。。」

汐君の言葉に私は小さく頷いた。

その時嬢薙さんの隣に座っている男の人が立ち上がった。

どんどんこちらに近づいてくる。

私は嬢薙さんの恐ろしい顔から目が離せなかった。

そして、その男はどんどん私たちの方に近づいてきて、汐君の前で立ち止まった。

「汐ちゃん〜、お久!まさか、こんなところで会うとは。で、この隣の女の子は、って、汐ちゃんも女の子か〜!ごめん、ごめん!」

汐君の顔が曇った。

それにこの人何故か汐君のことをちゃん付けで呼んでいる。

私は嬢薙さんから目を離し、男の人の方を向いた。

この人の顔を見るなり思った。

ド派手な金髪に、両耳には大量のピアス。

腕と首にはジャラジャラとした、腕輪とネックレス。

服装も、制服ではなく髑髏が描かれた黒いパーカー。

汐君に対する言葉の意味。

この人は多分、汐君をいじめてる人だ。

そして、その人と目が合った。

「なに。あっ!もしかして俺のこと好きになっちゃった〜?でも俺君には興味ないかな〜ごめんちょ!」

興味がない?

「勘違いしないでください、見た目で分かる通りのいじめっ子。私は貴方みたいな人に好意を向けるほど馬鹿ではありません。」

あれ、

嬢薙さんには言えなかったのに、この人には私の本心をぶつけられた。

何故だろうか。

「あぁ?俺が男だからって女に手出さねぇとでも思ってんのか!」

その途端、怒りに狂った拳が私の方に向かってくる。

バシッ

音はしたが、痛くはない。

手で一応構えたが手に痛みもない。

私はゆっくり目を開ける。

「うるさいですよ。静かにしてください、貴方は人目も気にならないんですか、それにXが見てますよ。」

綺麗なロングの黒髪。

男の手を受け止めたのは女の子だった。

こちらを振り返る。

髪の毛からサラッとシャンプーの良い香りがした。

その女性が男の人の手を離すと男の人は怒りながらも自分の椅子にドスッと力強く座った。

「貴方大丈夫?」

「あ!はい、有難うございます」

なんか、みたことある顔。

どこかで。

「あ、もしかして、テレビにも出てた全日本空手道女子組手で優勝してた宮野愛里七さんですか?」

汐君が目をキラキラさせながら問う。

みやのありな?

私も聞いたことある。

全日本女子組手で優勝?ってことは!めちゃめちゃ強いってこと!

「あはは、バレちゃうよねぇ〜。まぁ、私のことは置いといてXがいるからまずは座ろうか!」

私が目線を少し前にすると、そこにはXがいた。

と言っても、姿は見たことなかったから本当にXかどうか言えるかはわからないが、

「まさかの、大胆な格好」

「う、うん。。」

「X」と書かれたTシャツを着ていて、下は半ズボン。

顔は完全に隠されており、

その隠しているものが

「段ボール、、ですね。」

「自分で顔描いたのかな?、、手描きか。」

「・・・・・」

明らかにセンスを疑うような格好に私と汐君は、次々と言葉を述べる中、愛里七さんは黙っていた。

そして、Xの特徴。

背は150は超えているが全身的に小柄な男の子。

年齢は、私達よりは少し年下かと思われる。

服のセンスは.....微妙。

『じゃあ今からゲームの説明をするから、そこの3人座って!』

私達は、自分の名前が書かれている椅子に座った。

『じゃあ!今から説明していくよ!』
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