心を ほどいて  ~コーディネーター麻里絵

更衣室で 驚くほど 熟睡して。

私は だいぶ元気になっていた。


あゆみさんは 目が覚めた私に

「麻里絵ちゃん。少しでも 食べないと。暑いんだから。脱水症状になるよ。」

そう言って ポタージュとホットミルクを 置いていった。


一日振りで 口にした食べ物は

私の体に 沁みわたる。


あゆみさんに 甘えて 部屋まで 送ってもらい。

「栄太から 祐一君に連絡して 詳しく聞いてみるから。」

と言うあゆみさんに

「私 ホントに 全然 わからなくて。だから。」

「そうだよね。ずっと仲良かったもんね。2人とも。」

私は俯いたまま 何も言えない。


本当に 現実なの?

本当に 私達 別れるの?


せめて 私を 納得させてほしい。


「とにかに 麻里絵ちゃんは ちゃんと食べて。しっかり寝てね。」

あゆみさんは そう言って 

私のアパートから 引き返して行った。




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