心を ほどいて ~コーディネーター麻里絵
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バイト先で 倒れた翌日は
バイトが 入ってない私。
1人で 部屋にいることが 怖くて。
大学の友達に 話してみようと思う。
千佳に 電話をしたけれど 繋がらなくて。
千佳は 帰省しないって 言っていたけど。
やっぱり 実家に帰ったのかなと思い
私は 理沙に電話をした。
「麻里絵 もう帰ってきたの?」
理沙は 相変わらず 明るい声で 応える。
「うん。理沙。ちょっと 聞いてほしいことが あるんだけど。忙しい?」
「暇だよ。今から 会おうか?」
フットワークの軽い 理沙に 救われて。
私は 身支度をして 部屋を出た。
大学の友達の中で
私は 千佳に 一番 気を許していた。
私と同じ 地方出身で 引っ込み思案の千佳。
考え方に 共通点も多くて。
話していると 安心できたから。
だから 本当は 千佳に聞いてほしかったけど…