心を ほどいて  ~コーディネーター麻里絵

結局 祐一君は その子を選んだ。

私との1年も 消えるくらい

その子は 祐一君を 捉えた。


栄太さん達と別れて 1人 アパートに帰る。

玄関を開けて 中に入った途端

私の涙腺は 崩壊した。


泣きたくて 泣きたくて。

でも ずっと泣けなかったけど。


私は 靴も脱がずに 玄関に 座り込んで

声を上げて 泣きじゃくった。


許せない…


胸に満ちる思いは その子を憎む気持ち。

どんな理由でも 私より その子を選んだ 祐一君。


一体 誰なの…?


泣きながら 私は 思考を巡らす。


私の友達って?


その時 千佳の電話が 繋がらなかったことを 私は 思い出す。


嘘…  千佳なの…? どうして…?


もし千佳だとしたら。


私が バイトしている時

店に来た友達に 祐一君を 紹介したことがある。

付き合い始めた頃。


千佳は その頃から 祐一君を 狙っていたの?


何も 気付かないで 私は 色々 話していた。

祐一君とのことを 千佳に…



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