心を ほどいて  ~コーディネーター麻里絵

「ここ 座ってもいい?」

混んだ学食で 1人で うどんを食べていた私。

「どうぞ。」

遠慮して 2人掛けの テーブルを選んだけど。

私は 急いで 対面の椅子に置いた 荷物を退かす。


「建築科だよね?私は 理沙。よろしくね。」

「うん。私は 麻里絵。理沙も 建築科?」

「そうだよ。同じ講義 取ってるのに。気付かなかった?」

「えー。全然。私 前の方に 座っていたから。」

「麻里絵 1人でいるから。声掛けたかったんだ。」


1人 友達ができれば あとは 簡単だった。


女子の少ない建築科。

クラスの女子は 10人に満たない。

他の女子とも すぐに 仲良くなれて。


友達繋がりで 他の学部にも 顔見知りが増えて。



大学が 楽しくなるまでに

私は 一月近く かかった。




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