心を ほどいて ~コーディネーター麻里絵
夏休みに入った日 私達は 旅行に向かった。
上高地は 車の乗り入れが できなくて。
バスターミナルに 車を停めて。
シャトルバスに 乗り換える。
上高地に入った途端 空気が変わった。
純也に言われたとおり 歩きやすい服装で。
平坦な道を ゆっくり ハイキング。
「まりえ。深呼吸して。空気の入れ替え。」
深呼吸すると 本当に 肺まで 綺麗になるようだった。
涼しくて。空気が美味しくて。景色が綺麗で。
「なんか 別の世界に来たみたい。」
いくら歩いても 疲れないのは 空気のせい?
半日 たっぷり歩いて ホテルに入って。
初めての旅行に 少し 緊張していたけど。
動いた体に 食事は 美味しくて。
心地良い疲れを 大きなお風呂で癒して。
部屋に戻ると 純也は 先に戻っていた。
「まりえ。来て。すごい星。」
純也に呼ばれて 窓際に駆け寄る。
「わぁー。」
まれで プラネタリウムのような 星空。
「嘘みたい。これ。本当の空…」
星が降るって こういうことだね。
信じられないものを また見せてくれた純也。
心の中まで 星で溢れるような感動。
涙を溜めて 純也を見上げたら 唇が降ってきた。