心を ほどいて ~コーディネーター麻里絵
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それなりに 忙しいけど 幸せな毎日。
いつの間にか 暑い夏は 通り過ぎ。
愛と同じように 秋も 深まっていく。
ずっと 連絡を 取り合ってなかった理沙から 電話が入った。
「麻里絵ー!元気にしてる?」
あの頃 私を支えてくれた理沙なのに
会えば 辛い記憶が 蘇るから。
「うん。元気よ。全然 連絡しなくて ゴメンね。」
「ご無沙汰は お互い様だもん。気にしないで。
それより麻里絵。久しぶりに ご飯でも 食べようよ。」
「いいよ。私 今 フリーで仕事してるから。理沙の都合に 合わせるよ。」
「麻里絵 フリーになったの?すごいじゃない。」
「フリーと言う名の 無職に近いのよ。全然 すごくないわ。」
「何か 麻里絵 元気そうで。安心したわ。電話して 迷惑かもって 思ってたから。」
理沙の言葉に 胸が熱くなって。
どれほど 理沙に 助けられたか わからないのに。
私達は 日程を調整して 電話を切った。