心を ほどいて ~コーディネーター麻里絵
翌日 純也に会った時 私は 理沙のことを 話した。
「卒業してすぐに 2、3度 会ったけど。もう 5年くらい 会ってなかったの。」
「まりえが 今 幸せなの 見えたんじゃない?」
純也の言葉が 嬉しくて。
純也は 私が 今 幸せだって ちゃんと わかってくれるんだね。
「理沙に 純也のこと 自慢しちゃう。」
「えー。俺じゃ 自慢にならないでしょ?」
「ううん。自慢だよ?自慢の恋人。」
言ってから 私は照れて 肩をすくめる。
「サンキュー。じゃあ いっそうの事 自慢の旦那にしちゃう?」
少し 恥ずかしそうに 純也は言った。
「えっ。それって…?」
「うん。プロポーズ。」
私は どうしようもなく 幸せで。
どういう反応を していいか わからずに。
固まったまま 純也を見つめる。
「まりえ。返事は?」
「ありがとう。」
「俺の 自慢の奥さんに なって下さい。」
「はい。お願いします。」
私の声は 小刻みに震えて。
瞳から 溢れる涙が 頬を濡らした。