心を ほどいて  ~コーディネーター麻里絵

「今更 聞きたくないかもしれないけど…」

と前置きをして 理沙は 話し始めた。


「祐一君と千佳ね、3年になってすぐに 別れてたんだって。」

私は とても驚いて 理沙の顔を見た。


どうして? それなら 祐一君は

私に 連絡してくれれば よかったのに。

結局 祐一君にとって 私は 

その程度の 存在だったってこと…


今更 どうしようもないことだけど。


後から知ることって すごく残酷だ…


「千佳は 麻里絵に 嫉妬してただけで。あの頃。麻里絵 祐一君と付き合って すごく綺麗になって。明るくなって。多分 千佳 麻里絵が羨ましかったんじゃない?」

「自分も 祐一君と付き合えば 麻里絵みたいに 変われると思って。祐一君を 好きとか そういうことじゃないのに。自分でも わからなかったんだね。」


私を気使って 時々 言葉を切りながら 理沙は話す。


「私 あんなことになるまで 千佳を すごく信用していて。祐一君のことも 色々 話してたの。エッチしたことも。全部。だから すごく恥ずかしかったし。後悔も 凄かった。」


「もし千佳が 私から聞いたことを 祐一君に 話したら。祐一君 呆れただろうって。そういうこと全部が 後悔で。私 自分を否定することしか できなかったの。あの頃。」



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