心を ほどいて ~コーディネーター麻里絵
18
定時で 上がれるときは 私の部屋に寄って 夕食を食べてから 純也は 帰る。
私の打ち合わせが 純也の支店である時は
待ち合わせをして 外で食事をする。
休日前夜は 私の部屋に泊まって
次の日は 朝から 出かける。
結局 私達は ほぼ毎日 会っていた。
一緒にいる時間が 増えるほどに
純也への愛も 強くなって。
これからの生活を 共にする人は
純也以外には 考えられない。
「まりえを 親に 紹介したいんだけど。」
純也は 結婚に向けて 準備を始めようとしていた。
「ギクッ。緊張するー。」
「まりえの実家にも 挨拶に行かないとね。」
「純也は 営業マンだから 緊張しないでしょう?」
「はぁ?緊張するに決まってるでしょう。仕事とプライベートは 別だもん。」
「そうかなぁ?信じられないよ。」
「まりえは お仕置きされたいんだな。」
純也は 熱いキスで 私の口を塞ぐ。
「もう。これ お仕置きじゃなくて ご褒美。」
キスだけで ぐったりしてしまう私は
甘い声で 純也に 反抗してみる。
「まりえのせいで 今夜も帰れないよ。」
そのまま 純也は 灯りを消した。