心を ほどいて ~コーディネーター麻里絵
「まりえ いつも 一生懸命で。お客さん思いでさ。難しいお客さんにも 親身になって 対応していて。すごく良い子だなって ずっと思ってたんだよ。」
純也は 胸に付けた 私の頭を 撫でて言う。
「まさかー。私 段取り悪いし。営業さんに 迷惑ばかりかけていて。いつも 悪いなって 思ってたの。」
「俺のお客さん みんな まりえのこと 褒めてたし。感謝してたよ。まりえに。大貫さんなんて 本気で 息子の嫁にほしいって。」
年配のご夫婦 大貫さんには とても 可愛がっていただいた。
「フフッ。そんなことも あったね。」
「俺が 本気で告白してるのに。いつも はぐらかして。俺 根っからの 営業気質だから。難しい獲物ほど 燃えるの。」
「獲物って。失礼ね。でも 純也 ハンターのくせに 捕まえてからの方が 私を大事にしてくれてるね。」
「俺が まりえに 捕まっちゃったのかな。一緒にいるほど まりえ可愛くて。もう 一日中 離したくないんだ。」
純也の唇が 落ちてくる。
「あっ。んっ…純也…?」
私の手は 純也の背中を抱き 甘く滑る。
「まりえ…?」
仕掛けたのは 純也のくせに。