男心と春の空
俺は週一の家庭教師の他にカフェでもバイトしている。

こっちがメインだ。

カフェは大学の正門を出て駅の方に向かって歩く途中にある。

同じ大学の奴らがたくさん来るが、別に気にしない。
誰も俺の顔なんて知らないだろう。

広くて落ち着いてて、働いてる人達もいい人ばかりだから気にいっている。

正門に向かって歩いているとふと視線が一人の女の子と交わった。

少し距離がある。

女の子はゆるいウェーブかかった髪を揺らし、こっちに向かって歩いてくる。

間違いない。
知ってる顔だった。

でも久しぶりに見るその顔に俺は驚きを隠せなかった。

女の子はそんなことも構わない様子で近付いてくる。

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