男心と春の空
二月十四日、バイトが一緒だった。
矢野英子と。
ちょっと期待していた。
ほぼ毎日一緒にいるわけだから義理でもいいからくれるはず。
そう思いながら働いていた。
俺も矢野英子もクローズ。
バイトが終わった時に残っていたのは店長と俺と矢野英子。
でも店長は仕事が残っててまだ店の方にいた。
「こんなクローズまで残ってていいんですか。」
俺は着替えも終え、後は帰るばっかりの状態で尋ねた。
「なに、どういうこと?」
矢野英子が悪戯な笑みを浮かべて言った。
「せっかくのバレンタインデーなのに。」
「バレンタインも何もないよ。そうそう、海くんにもコレあげる。」
「えっ?」
「はい、どうぞ。」
そう言って矢野英子はカバンの中からコンビニでよく見かける個包装された菓子チョコを片手いっぱいに鷲掴みして、俺の両手の平の上に乗せた。
これなら自分でも買うよ。
少しがっかりする。
「ありがとうございます。」
そう言うと矢野英子はにっこり笑って足どりも軽く帰っていった。
完全に脈なしだなー。
俺はあえて時間を置いてから帰った。
矢野英子と。
ちょっと期待していた。
ほぼ毎日一緒にいるわけだから義理でもいいからくれるはず。
そう思いながら働いていた。
俺も矢野英子もクローズ。
バイトが終わった時に残っていたのは店長と俺と矢野英子。
でも店長は仕事が残っててまだ店の方にいた。
「こんなクローズまで残ってていいんですか。」
俺は着替えも終え、後は帰るばっかりの状態で尋ねた。
「なに、どういうこと?」
矢野英子が悪戯な笑みを浮かべて言った。
「せっかくのバレンタインデーなのに。」
「バレンタインも何もないよ。そうそう、海くんにもコレあげる。」
「えっ?」
「はい、どうぞ。」
そう言って矢野英子はカバンの中からコンビニでよく見かける個包装された菓子チョコを片手いっぱいに鷲掴みして、俺の両手の平の上に乗せた。
これなら自分でも買うよ。
少しがっかりする。
「ありがとうございます。」
そう言うと矢野英子はにっこり笑って足どりも軽く帰っていった。
完全に脈なしだなー。
俺はあえて時間を置いてから帰った。