男心と春の空
「まあ、アレだね!今は彼女がいるから、大丈夫そうだね!」

アキナの澄んだ目が俺を見返す。
すごく透明感のある笑顔だ。

気付いたら大学の門をくぐっていた。

キャンパスの真ん中。
噴水の近くでアキナが立ち止まる。

「あたし、2コマこっちだ。」
「ああ、そっか。」
「うん、じゃ。」

軽やかにアキナは手を振って、講義棟へと進んでいく。

まじかよ。

俺は少しの間、呆然としながらアキナの背中を見つめていた。

なんでこうなるんだろう。
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