男心と春の空
14時半。

弥生ちゃんは何度か「ちょっと待って」って言ったけど、そんな言葉なんかで俺の理性は留まってくれなかった。

あっけなく俺は一人でイッてしまった。

正直、何が気持ちいいのかも分からなかった。
幸せではなかった。

弥生ちゃんが俺の隣に転がって体をくっつけてくる。
少し冷たくて、ひんやりしてる。

俺は腕を弥生ちゃんの体に回す。

「海くん、好きだよ」

眠くて意識が遠くなってる俺の耳元で弥生ちゃんが言う。

俺は、俺はーーーー

アキナの笑顔が何故かこんな時に浮かぶ。

俺は何も言えず、ただ弥生ちゃんの髪を撫でただけだった。

何も満たされない。

弥生ちゃんを抱きしめて俺は寝ていた。

起きた頃には、外は暗くなっていて、弥生ちゃんは一人でうちを出ていた。

たぶん、もう俺たちは終わるのかもしれない。

そんな予感がした。
そうなるつもりでいた。
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