男心と春の空
部屋に入りノートパソコンの電源を入れ、立ち上がるまでの間にカバンをあさる。
1月のうちに出さなきゃいけない課題。
明日で1月は終わってしまう。
わざわざ学校まで提出するためだけに行かないといけない。
今時わざわざ紙で提出させるなんて時代遅れだろ。
春休み入る前に出しておけばよかったと後悔する。
カバンの中のファイルからプリントを見つけ、そこにある文字を見てハッとした。
急いでスマホを取って野山信吾の名前を探す。
電話をかけると暇なあいつはすぐ出た。
「何、どうした。」
「哲学で先生が指摘した箇所ってどこ?今初めてちゃんとプリント見てさ。」
「あの本あるじゃん。」
「『哲学のキーワード』?」
「そうそう、あの赤い本。」
「あれ、俺なくしたんだよね。」
「そうだ、この間言ってたね、お前。」
俺は念のため本棚を見る。
赤い本は見当たらない。
授業でまったく使ってなかったから、いつなくなったのかも分からない。
そもそもこの本棚にあったというイメージすらない。
買ってないのかも。
「俺、今からお前ん家行っていい?」
「あぁ、まぁ。いいけど。」
野山はぼんやりとしたトーンで答えてくれた。
1月のうちに出さなきゃいけない課題。
明日で1月は終わってしまう。
わざわざ学校まで提出するためだけに行かないといけない。
今時わざわざ紙で提出させるなんて時代遅れだろ。
春休み入る前に出しておけばよかったと後悔する。
カバンの中のファイルからプリントを見つけ、そこにある文字を見てハッとした。
急いでスマホを取って野山信吾の名前を探す。
電話をかけると暇なあいつはすぐ出た。
「何、どうした。」
「哲学で先生が指摘した箇所ってどこ?今初めてちゃんとプリント見てさ。」
「あの本あるじゃん。」
「『哲学のキーワード』?」
「そうそう、あの赤い本。」
「あれ、俺なくしたんだよね。」
「そうだ、この間言ってたね、お前。」
俺は念のため本棚を見る。
赤い本は見当たらない。
授業でまったく使ってなかったから、いつなくなったのかも分からない。
そもそもこの本棚にあったというイメージすらない。
買ってないのかも。
「俺、今からお前ん家行っていい?」
「あぁ、まぁ。いいけど。」
野山はぼんやりとしたトーンで答えてくれた。