男心と春の空
あれから2年。
俺は遠く離れた離島の民宿で働いていた。

古民家を再生した民宿(まだ再生途中のところもある。)だ。

大学をやめて、バイトもやめて、部屋も出て、全ての人間関係を切って、この島に来た。

あの日、電話に出たお父さんが「来れば」と言ってくれた。
それからすぐだった。

誰に言うこともなく、荷物をまとめて姿を消した。

朝から晩まで仕事して、夜はお客さん達と飲む。
そしてまた同じような朝を迎える。

同じような毎日。
だけどまっすぐ何もない道をひたすら走るのはすごく気持ちのいいドライブだった。
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