サヨナラなんて言わない。
「もう冬服の季節なんだね。晴と賭けをした日はまだ暑かったのに。」

「そうだな、早いなぁ。」

暑かったあの賭けをした日、私は晴に"好き"を貰った。友達として。

好きだとつたえたら晴は私の事を気にする。

気を使われるのが嫌で伝えるのをやめた。

でも…そんなの言い訳で怖かったんだ、単純に。

失恋という事実を伝えられるのが。

伝えたいことは伝えると決めたんだ、後悔しない為に。

私は寒い寒いと言い続ける晴の腕を掴んだ。
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