サヨナラなんて言わない。
今まで言えなかった。

言えずにずっとためていた心の声をやっと伝えられた。

「ねぇ、晴。」

「なに?」

「私ね、晴を好きになってよかった。」

それはどうもと晴答えた。

ぶっきらぼうな返事だったけど少し耳が赤くなって見えた。

ちょっと照れてくれたって思ってもいい?

頑張って伝えたんだもん、それくらいのわがままは許してね。

晴、本当に好きだったよ。

その想いを込めて私は晴の首に巻き付けた腕にキュッと力を込めた。
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