サヨナラなんて言わない。
「あなたは…晴とみのりの…」

"子供"

そう言いかけた時、私の体が光につつまれた。

よく見ると体が消えかかっている。

直感で分かった、私の命がつきるんだ。

女の子は消えていく私を心配してか、一生懸命に私の方へ手を伸ばした。

私はその手を掴んだ。そして、女の子の目を見た。

「お願いがあるの、晴とみのりといつまでも笑ってて欲しい…私が出来なかったことやって欲しい…」

手を強く握って私がそう言うと最初は驚いていた女の子も大きく頷いた。

「うん。あなたの想いは引き継ぐから!」

その返事を聞いたところで私は目を閉じた。

意識が遠のいていく━━━━━━━━━。

どこか分からないけど、どこかに飲み込まれていくようだ。
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