サヨナラなんて言わない。
その言葉の続きは聞かなくても分かる。

さっちゃんは、もうすぐいなくなるということだ。

泣いているお母さんからさっちゃんへと視線をうつす。

こないだまで私に笑いかけていたさっちゃんはもうどこにもいない。

さっちゃんは機械につながれ、静かに呼吸をしている。

こんな急に悪くなるなんて…考えてもいなかった。

さっちゃんとまた明日も話せるそう思っていたのに。

目頭があつくなり、とっさに下を向く。

泣くな、まださっちゃんは生きてる。

わかんないじゃん、また話せる日がくる。

だってつい最近まで話していたんだから!
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