サヨナラなんて言わない。
「まだ私さっちゃんと話したいことあるんだよ?いっぱいいっぱいあるんだよ?元気になったら話そうよ!」

今にも"さよなら"を言いそうなさっちゃんを必死に止めようと私は力いっぱい声をかける。

私の言葉を聞いたさっちゃんは何も言わなかった。

ただ笑顔で私を見つめるだけ。

もう自分の終わりを悟っているかのように。

「蓮花ちゃん…私ね…友達を遠ざけて…最後まで…何も…言えなかった…だから…」

そう言って私の目の前にさっちゃんは手を差し出した。
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