サヨナラなんて言わない。
2人は私が落ち着くまでずっと手を握ってくれていた。

私はこの温もりを一生忘れないと思う。

そして、落ち着いた頃に私は2人に病気の事を伝えた。

もう私の命は短いことも、病気の状態も、全て。

「そんな前から症状あったんだ…普通に部活してたよね?」

「うん、その時はまだ症状が軽かったから。一応許可は貰ってたし。」

「あれ?俺と対戦した時既にだいぶ悪かったんじゃ?」

「あー、あの晴を騙したやつね!あの時はバレそうで誤魔化したんだよね〜」

「お前にまんまと騙されたよ!」

くそー!と悔しがる晴。

「はいどんまい!」

私がそう言って晴をからかうと、みのりは笑った。

以前の私たちに戻ったんだなあと実感した。
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