幸せにしたいのは君だけ
1.理想の男性 ≠ 王子様
「どうして澪さんに告白しなかったの?」
目の前の彼の、整った面立ちが僅かに歪む。
聞いてはいけない質問だってわかっていた。
このセリフを口にしたら確実に嫌われるか、避けられるって理解していた。
だけど尋ねずにはいられなかった。
だって私がもし、彼の立場ならそんな真似はきっとできない。
こんなにも好きになってしまった人をなにも言わずに諦めるなんてできないから。
ましてや心から祝福してほかの男性の元へ送り出すなんて到底できない。
そんな広い心はもてない。
ああ、どうして私は我慢ができないんだろう。
この人に、こんな表情をさせたいわけじゃない。
ただ、澪さんを見つめるような優しい目で、私だけを見てほしい。
私を一番に想ってほしい。
ずっとそれだけを願ってきたのに。
その願いは今日を境にきっと――永遠に届かない。
目の前の彼の、整った面立ちが僅かに歪む。
聞いてはいけない質問だってわかっていた。
このセリフを口にしたら確実に嫌われるか、避けられるって理解していた。
だけど尋ねずにはいられなかった。
だって私がもし、彼の立場ならそんな真似はきっとできない。
こんなにも好きになってしまった人をなにも言わずに諦めるなんてできないから。
ましてや心から祝福してほかの男性の元へ送り出すなんて到底できない。
そんな広い心はもてない。
ああ、どうして私は我慢ができないんだろう。
この人に、こんな表情をさせたいわけじゃない。
ただ、澪さんを見つめるような優しい目で、私だけを見てほしい。
私を一番に想ってほしい。
ずっとそれだけを願ってきたのに。
その願いは今日を境にきっと――永遠に届かない。
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